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映画青ブタ考察

※この記事は、青ブタに関するネタバレが非常に多いです。アニメ未視聴及び映画未視聴の方は必ずアニメと映画を視聴してから読んでください。マジで。

いよいよ本日から映画「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」の公開が始まりました。

アニメ本編の集大成とも言えるこの作品はかなり複雑なストーリーとなっていて、一度見ただけで完璧に理解するのは難しいかと思います。

というわけで、この記事ではゆめみる世界で起きた思春期症候群や作品の時間軸に関する考察したいと思います。

 

 青ブタの世界の「時間軸」

今作「ゆめみる少女の夢を見ない」では、翔子の思春期症候群によって何度も時間軸を飛び越えているので、一旦ここで整理しましょう。

整理する時間軸は「アニメ・映画で描かれた時間軸」だけでなく「青ブタの世界の時間軸」を含めているので気をつけてください。

 

1 小学生の牧之原翔子が思春期症候群を発症(映画冒頭)
~一周目~
2 花楓が思春期症候群を発症。「花楓」が「かえで」になる
3 咲太が峰ヶ原高校に入学。翔子不在の状態でアニメのストーリーをなぞる
4 はやてを拾おうとしてる中学生の翔子と咲太が出会う
5 クリスマスの日、梓川咲太が交通事故に遭う。咲太の心臓が翔子に移植される
6 大人になった翔子が咲太を救うために過去へ戻る
~二周目~
7 一周目の2に戻る。傷心の咲太と高校生の翔子が出会い、心臓の重複により咲太の胸に傷ができる
8 アニメのストーリーをなぞる
9 大人翔子が未来から来たこと、咲太の心臓を持つことが発覚する(梓川咲太が思春期症候群を発症)
10 咲太の代わりに麻衣が轢かれる。麻衣の心臓が翔子に移植される
11 大人になった翔子が咲太を救うために過去へ戻る
~三周目~
12 二周目の10へ戻る。咲太の前に麻衣の心臓を持つ翔子が現れる。その翔子の助けのもと、咲太が思春期症候群を発症した二周目9まで戻る
13 咲太が轢かれそうになる自分を助ける。咲太の思春期症候群が解け「三周目の咲太」と「二周目の咲太」が同期する。同時に大人翔子の思春期症候群も解け、中学生の翔子と大人翔子が同期する
14 将来のスケジュールのプリントから、咲太が「今の世界は小学生翔子の思春期症候群によって生まれた世界」だと気付く
15 翔子と咲太が世界を元の時間軸に戻す決意をする
~四周目~
16 1に戻る。翔子に未来の記憶が少しずつ同期する(将来のスケジュールのプリントを完成させる)
17 咲太と麻衣も同様に記憶が少しずつ同期され、咲太は募金活動に励み麻衣は心臓病の女の子の役を引き受ける
18 一周目3と同じく、翔子不在でアニメのストーリーをなぞる
19 はやてを拾おうとする翔子と咲太は出会わない
20 映画のラスト。ここでようやく未来の記憶が同期され、翔子と咲太が出会う

 

思春期症候群やストーリーについて

・青ブタの始まり「小学生の牧之原翔子が起こした思春期症候群」

医者に「中学校卒業まで生きられない」と余命宣告をされ、小学校の授業で「将来のスケジュールを書いてください」と言われるも、書くことができなかった小学生の翔子。

そして翔子は未来に辿り着くこと(=死を迎えること)が怖くなり、明日が来ることを拒もうとします。これはアニメ本編で古賀朋絵が思春期症候群を起こした時の精神状態と似ていると個人的には思います。

そして、古賀朋絵の時とは比べ物にならないほど長い期間の「未来予知」が始まりました。

 

・咲太が翔子を助けたのか、翔子が咲太を助けたのか

映画で、風邪を引いた咲太の「僕は翔子さんに救われたんです」というセリフに対し看病をしていた大人翔子は「救われたのは、私のほうなんだよ」というセリフを残しています。

二周目の咲太、三周目の咲太は「中学の時に高校生の牧之原翔子に出会い、その出会いをきっかけに峰ヶ原高校を受験する」という意識を持っていましたが、咲太は翔子に出会ってなくても峰ヶ原高校を受験していることが四周目の描写でわかるかと思います。

つまり、時系列としては先に咲太が峰ヶ原高校に入学し翔子と出会い(一周目3~4)、そのあと咲太に憧れた翔子が峰ヶ原高校を受験することになるので、先に咲太が翔子を助け、その翔子が過去に行き咲太を助けるという話の流れになっています。

 

・四周目に懸ける、咲太と翔子の想い

未来の記憶が同期し、自分が今いる世界が「思春期症候群によって予知された未来」だということに気が付いた翔子と咲太。

咲太は「過去に戻り、翔子の病気が治せるようできることをする」という意思を持って遡ることに対し、翔子は「自分が咲太と出会ってしまったせいで、咲太が不幸になってしまう」という責任感から「咲太に出会わないようにする」という意思を持って時間をリセットします。

そのため、翔子がはやてを拾うタイミングでは翔子と咲太は出会わず、咲太が車に轢かれる未来もなくなりました。(この辺りの話は映画来場者特典「青春ブタ野郎はホワイトクリスマスの夢を見る」に書いてあるのでぜひ読んでみてください)

 

・映画では描かれなかった細かい話

原作では描かれていましたが、映画では尺の都合で省略されてしまった設定がいくつかあるので、原作は読んだ方がいいですよ。

例えば、中学生翔子が猫を飼いたいという事を親に言い出せない程控えめな性格ですが、大人翔子は麻衣のいる梓川家に押しかけ居候するという大胆さを見せています。これは記憶転移と呼ばれる「臓器移植が行われた際に、移植前の人格や記憶が、移植された人物に移る現象」によって咲太の性格が翔子に反映されたという設定になっています。ちなみに咲太が翔子に「僕は…生きたい…」という本音を吐き出した時も翔子は「辛い選択をさせてごめんね」と気丈に振舞っていましたが、麻衣が事故に遭ったあとの保健室で「僕は翔子さんになにもしてあげられない」という気持ちを告げた時に翔子が涙を堪えきれなかったのも「咲太の心臓を持つ翔子の強さ」「麻衣の心臓を持つ翔子の弱さ」が対比として表れていました。

二周目の未来、つまり翔子が麻衣の心臓を持って生きていく世界では、翔子は念願の学生結婚をしていて、咲太が三周目に向かう前に麻衣の心臓を持つ翔子にめちゃくちゃカッコいい台詞を告げるので、マジで原作は読んでください。

 

 

作品の考察は以上になります。ここまで読んでいただきありがとうございました。

またいつか、青ブタが映像で見られることをとても楽しみにしています。