蟻を出し入れする穴

ただのオタクがゲームやイベントの感想を書き殴るだけ

"アイドルコンテンツ"から"クラブカルチャー"へ。オタクを置き去りにしたデレ7th名古屋レポート(前編)

プロデューサーのみなさん、改めて「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪ Funky Dancing!」2日間お疲れさまでした。

シンデレラガールズがカテゴリーの臨界点を超え、新しい世界へと踏み出した最高のライブだったと思います。

ただ、個人的には今年一番満足したライブイベントだと感じていたので、Twitter上で今回の公演に対する否定的な意見、所謂"お気持ち表明"が多数見受けられたことに、正直驚きを隠せませんでした。

ライブ直後こそ記事冒頭にあるツイートのような考えを持ちましたが、実際Twitterで様々な意見を見ていると、確かに納得できる物も多々あるんですよね。

という訳で、今回の感想記事はちょっと毛色を変えて、今回のライブコンセプトに注目して描いていきたいと思います。いつもの1曲殴り書き構成は後編でやりたいと思います。

 

1、「アイドル」より「楽曲」に重点を置いたセットリスト

1-1、Remix ver.の在り方・使い方

名古屋公演の全日程が終了し、一日が経過した中、批判的感想の中で特に見受けられた物が"Remix ver."に関する意見でした。

昨年SS3Aで披露された"輝く世界の魔法 -Magical Step Forward Remix-"、"Flip Flop -For SS3A Rearrange Mix-"、"メッセージ -Future Picopico Remix-"に加え、デレ5thSSAの会場限定CDに収録されていた"ミツボシ☆☆★  -Happily Ever After Remix-"、"ショコラ・ティアラ -Before Sunrise Remix-"が披露されましたが、これらのRemix披露に対して「原曲が聴きたかった」という声を聴くことが多かったと思います。

Remixという概念は、最初に生み出された"原曲"をアーティストが調理して、違う味付けの料理を完成させるような物であり、Remixを聴いて「原曲が聴きたかった」と思ってしまうことは決して聴き手が悪い訳ではなく、上手く調理することができなかったアーティスト側の力量不足であるというのが一般的な見解です。

ただ、今回披露されたRemixはシンデレラガールズに携わる気鋭アーティストが手掛けていたため、調理が悪いというよりは「出てきた味付けが合わなかった」という認識の方が当てはまるかと思います。

特に"ミツボシ"、"ショコラ・ティアラ"のRemixについては、アップテンポやリズミカルな原曲を少し落ち着いた雰囲気に纏め上げていたのですが、その落ち着いた雰囲気をボルテージが上がり切っていない最初のブロックで持ってきてしまったことは非常に勿体ないと感じました。序盤に持ってくるのであれば、この2曲は原曲の方がボルテージを高めやすく、Remixを使うのであればLast Kiss・Sunshine See Mayが披露されたブロックに合わせれば、ここまで批判される事は無かったのでは…と考えます。まぁこれに関してはただの結果論でしかなく一素人の無責任な憶測でしかないので気にしないでください。

1-2、コンセプトを貫いたセットリスト

セットリストに関していえば、今回の名古屋公演でステージに立った33名のアイドルの内、ソロ曲を持っているのは26名。そして披露されたソロ曲は13名分15曲と、ソロ曲を持っていたアイドルの半分は披露できずに終わってしまいました。

確かに、ソロ曲が披露されなかったアイドルの担当プロデューサーが良い気分になれないことはわかります。ましてや片桐早苗神谷奈緒は2日間で二曲歌っている訳ですから、差別意識を持ってしまうのは仕方ないことかもしれません。自分もデレ幕張の時はリトルリドルが披露されなくてブチギレました。

しかし、今回は披露されたソロ曲がFunky Dancingという主題に合っていただけで(初披露の"もりのくにから"は除く)、逆に干された曲はそうではない物がほとんどだった(Never say Neverは除く)と思います。

全体的に電子音を用いたテクノポップで構成されていた中で、祈りの花や風色メロディをやっても楽しいのは担当Pだけだったでしょう。

正直な話、シンデレラガールズというコンテンツを追う上で、「担当アイドルだけ見られれば良い」という考えは捨てた方が良いです。ボイス付きアイドルの数も100を超え、楽曲も増えてきた中で、出演しているアイドルが全員平等に活躍できるライブを作るのは至難の域に達しています。鷺沢文香Pの自分から言わせてもらえば、「ライブに担当アイドルが来てるだけありがたいと思え」としかアドバイスできないですね。

シンデレラのライブに行って楽しみたいのであれば、自分の担当アイドルだけでなく、他のアイドルの曲にも目を向けて、箱推しする覚悟を持つべきですし、それが嫌だと言うならミリオンライブに鞍替えしたほうが幸せだと思います。

1-3、アイドルライブからクラブシーンへ

今回のセットリストは徹底してFunky Dancingというコンセプトの通りに、EDMやテクノポップを中心にRemix等で纏め上げてられていたため、『そういったジャンルが好きな人はとことん楽しめて、あまり好きじゃない人には全く刺さらない』ライブにはなっていたと思います。たまたま自分がそういった曲調が好きだったことが幸運でしたが、もしこれが演歌みたいな曲が中心になっていたら自分も叩く側に回ることは否めません。

「Funky Dancingと言ってる時点で去年のSS3Aと似たような構成になるのは読めてたんだし準備くらいしてこいよ」とは思いましたが、こればかりは曲の好みの問題になってしまうので、心の中で思うだけにしておきます。

正にクラブシーンのような『アーティストより音楽がメインとなるステージ』をアイドルで創り上げたシンデレラガールズ。アイドルコンテンツとしての新しい境地を切り拓いた裏で、アイドルが好きで、音楽を聴くのではなく、好きなアイドルを応援するためにライブへ足を運ぶプロデューサーとの意識のすれ違いが赤裸々になってしまった、そんな寂しさの残る公演になってしまったことは確かだと感じます。

アイマス流行語大賞2019のノミネート発言を一部引用すれば、Pを名乗ってすらいないただの「客」として入場している者が一番名古屋公演を楽しむことができたのではないでしょうか。

それでも、自分はこういったダンサンブルな楽曲が一番好きなので、これからも年に一回はこのコンセプトのライブをやってほしいと強く願います。

 

2、DJ KOOのサプライズ出演は吉か凶か

や〜それにしてもビックリしましたねDJ KOO。日本のDJといえばこの人と言ってもなんら過言ではない超大物ゲストだったと思います。スクリーンにデカデカとDJ KOOと表示された時はマジで脳の処理が追いつかず「なんだこれ!!なんだこれ!?」と叫びながら踊り散らかしました。

ただ、このサプライズについても賛否両論分かれていて、「アイドルのライブに来てるのになんでオッサンで高まらなきゃならないんだ」みたいな意見をチラホラ見かけました。

 

正直、自分もTRFは世代じゃありません。披露された"EZ DO DANCE"も"CRAZY GONNA CRAZY"も"survival dAnce 〜no no cry more〜"も、生まれる前にリリースされた楽曲です。ただそれでも、日本で生活していればテレビやラジオで必ず聞く機会のあるアンセムでしょうよ。

アニクラに限らずDJやってる人達なら無条件でリスペクトしてしまうような存在が生でプレイしているのに、DJ KOOやTRFの曲を知らないだけで低まってしまうのは非常に勿体ないというか。ちょっとこれに関しては価値観の違いなので多分一生分かり合えない部分だと思います。

確かに「アイドルマスターのライブで他コンテンツに頼るな!」という意見は理解できなくもないですが、それだとミリオンで太鼓奏者やタップダンサーを委託したのはどうなってしまうんでしょうか……?パフォーマンスを提供している点では全く一緒なのに何故DJはダメなのか良くわからないです。

「サプライズに頼るな!」という意見については理解できます。4thLIVEはシクレでライブを盛り上げた節は否定できないので、今回のサプライズであの頃のサプライズ頼りなライブ構成を思い出した方もいるのではないでしょうか。

ただ、5thも6thもサプライズ無しでライブを作り、今回はシンデレラが誇る最強楽曲群を惜しみなく使ったことで、かつてないほど会場中が暖まっていたと思います。その中でのサプライズ演出は、限界まで高まり切ったボルテージを一気に爆発させる素晴らしい演出だったと感じました。

ただこれに味を占めて他公演でも外部に委託してしまうようではオタクが言う「サプライズに頼る」セットリストになってしまうので、ここで抑えて再度シンデレラのみでライブを完結させる努力はしてもらいたいものです。

 

まぁ多分DJ KOOのサプライズ出演について不満を持っている層は、おそらく中田ヤスタカが来ようがZEDDが来ようが理解できずに低まってると思うので、豚に真珠(声豚だけに)に過ぎないんだろうなとは思います。

 

3、個人的に思うデレ名古屋のダメだったところ

シンデレラ史上最高のライブとは言ったものの、すべてが100点だったわけではなく、もちろん不満点もいくつかありました。

3-1、楽曲を支えきれなかった音響設備

去年ナゴヤドームでライブが開催された時は、メインステージに設置されたスピーカーの他、アリーナ後方の両サイドにもスピーカーが設置されており、会場全体に音が響き渡るよう構成されていた記憶があります。しかし今回は、会場中心に据え置かれたメインステージしかスピーカーがないことが気になりました。

自分は2日間ともアリーナで観覧していましたが、4方向に伸びるサイドステージにアイドルが立った際、そちらに顔を向けるとメインステージが顔の横に来るため、メインを向いている耳に音が入り反対側はほとんど入ってこなくなるため臨場感が薄れてしまうんですよね。

今回のようなエレクトロニカな楽曲が多いライブでは、いつも以上に音響設備に気を配る必要があったと思いますし、これに関しては正直DJ KOOを呼ぶ金で「最高の音楽を最高の環境で」聴くことができる会場作りをしてほしかったと思います。

3-2、アリーナが狭ぇ

アリーナの座席間が狭すぎる。それはいつもの事なんだけど今回みたいな身体が勝手に動き出しちゃうようなバケモンライブ作るならもうちょっと間隔開けてくれ。こちとらデブだから縦ノリすら満足にできないねん。痩せるか。

3-3、Pretty Liar

Pretty Liar聞けたら100億点万点出てたなぁ~~DJ KOO呼ぶ金で早見沙織呼べよ~~~

鷺沢文香の声優は代えろ。

 

4、まとめ「オタクにパリピのノリは合わない」

この記事の要点をまとめると上の一言で済んじゃいますね。悲しいです。

執筆してきた中で気づいたことは、「曲ではなくアイドルが好きなプロデューサー」「TRFやDJ KOOを知らない世代」「テクノポップが好きじゃない層」がアイドルマスターのユーザーにはいて、そういった方達が今回のライブに不満を持ってしまったのかな。ということです。

ドームの来場者全員が満足するような、そんなライブを作るコンテンツ力がシンデレラに無いのは当たり前ではあります。ただ今回のライブは、普段現場でお世話になっているオタクとも意見が二分していたので、違う意見も参考にして色々な視野を持てるように、いつもと違う形で感想をまとめてみました。

これまでのライブにおいて、200人近いアイドルがいるシンデレラガールズは、個性がバラバラでとっ散らかってしまうセトリが多かった印象ですが、幕張・名古屋とコンセプトを絞って一方向にパフォーマンスを作り上げたときの勢いは凄まじい物があると強く感じました。

残す大阪公演「Glowing Rock!」も、生バンドを携えて過去最高のパフォーマンスが見れることを楽しみにしたいと思います。

謝辞

さて、ここまで長々と読んでいただきありがとうございました。

デレ名古屋を楽しめたオタクは「なんでこのライブに不満が出るのか」。楽しめなかったオタクは「このライブのどこが良かったのか」と少しでも歩み寄ることができたら、この記事を書いた甲斐があったと思えます。

なんか不満とか文句とか「ここ違くない?」みたいな感想がありましたら、是非Twitterで直接リプいただけると嬉しいです。

本当に今回のデレ名古屋公演は人生で1,2を争う楽しさで、SUMMER SONIC 2019 Day3を超えるような熱狂に包まれた公演だったので、プラス意見でもマイナス意見でも語り明かしてこの公演の印象を強く残したいと考えています。そのために後日、後編としていつものフォーマットで感想を書こうと思っているので、もしよかったらそっちも読んでいただけると嬉しいです。そして今度うまい酒を飲みましょう。

それでは。